【2025年最新版】Click vs Adalo:それぞれのノーコードツールの特徴と選び方を徹底解説

はじめに

ご覧いただき、ありがとうございます。ソウゾウ合同会社代表の西澤志門です。
近年ノーコードツールによるアプリ開発・システム開発が主流になりつつあります。特に、iOSやAndroidのネイティブアプリ、Webアプリを同時に開発できるツールは、効率性とコスト削減を両立する手段として、多くの企業で採用が進んでいます。本記事では、近年人気のノーコードツール「Click」と「Adalo」を比較し、それぞれの特徴やビジネス活用のポイントを詳しく解説します。アプリ開発を検討している企業が、自社のニーズに最適なツールを選ぶための参考になれば幸いです!

ノーコードツールを活用するメリット

スピード感を持った市場参入

ノーコードツールを活用し、アプリ・システム開発を行うことで、とんでもないスピード感を持って市場に参入することができます。従来の開発方法では、リリースするまでに早くても半年〜1年ほどかかることが一般的でしたが、
ノーコードを活用することで、最短1週間ほどでリリースすることが可能です。
ビジネスアイディアを迅速に形にすることで、迅速に市場に参入でき、企業にとっては大きなアドバンテージとなります。

開発費用の大幅な削減

ノーコードツールを活用することは、迅速に市場参入ができるだけでなく、「開発コスト」を大幅に抑えて開発することが可能になります。
従来の開発方法では、SNSアプリを開発するのに安くて500万円〜数千万円ほど開発費用が必要になります。
一方で、ノーコード開発であれば、従来の開発方法の約1/2ほどで開発が可能です。
例えば、SNSアプリであれば、100万円〜300万円(要件によっては、数十万円)ほどで開発することができます。ノーコードの活用により、アプリ開発費用を他の施策へ当てることもできるなど、予算をより効率的・効果的に活用することが可能になります。

保守運用費用の大幅な削減

ノーコード開発のメリットは、「スピード感を持った市場参入」「開発費用の大幅な削減」だけではありません。
「保守運用費用=アプリ運営費用」も大幅に削減できる点も大きなメリットです。
当然ですが、アプリは開発して終わりではありません。ユーザーを集客し、ユーザーの生の声を拾い上げ、アプリデザインや機能の修正・追加が必須となります。
従来の開発方法では、1機能を追加する場合、追加開発費用:100万円/追加開発期間:1ヶ月といったコストが必要となってきますが、ノーコード開発の場合、開発費用:数万円〜数十万円/追加開発期間:数日〜数週間といったコストでアップデートが可能となります。アプリのリリース後、スピード感を持ってPDCAを回すことが可能となり、PMF(プロダクトマーケットフィット)をより効率・効果的に目指すことが可能となります。

以上、ノーコード開発を活用するメリットとなります。次に、『Click』と『Adalo』を徹底的に比較していきます!

Click vs Adalo:基本情報の違い

Click とは

Clickは、日本製のノーコードツールで、iOSとAndroidのネイティブアプリおよびWebアプリを同時開発できます。機能や開発スピードはAdaloとほぼ同等ですが、日本語対応や日本市場向けの機能に特化している点(下記でさらに詳しく解説します)が特徴です。
下記の記事で、Clickについてさらに詳しく解説しているので是非ご覧ください。
Clickとは【ノーコード入門】Clickでどんなアプリが作れる?特徴と料金を解説

Adalo とは

Adaloは、海外製のノーコードツールで、iOSやAndroidのネイティブアプリ、さらにWebアプリを同時に開発できるノーコードツールです。直感的な操作で、高速にアプリ開発が可能です。初心者でも取り組みやすく、スタートアップや個人開発者を中心に人気があります。

項目ClickAdalo
対応言語日本語に特化主に英語
料金(Adaloは年契約で割引あり)Standard:税込4,400円/月
Pro:税込19,600円/月
Enterprise:お問い合わせ
Starter:約6,864円/月(45ドル)
Professional:約9,914円/月(65ドル)
Team:約30,506円/月(200ドル)
特徴日本市場向けの機能が豊富デザイン・機能の拡張性が高い

Click vs Adalo:7つの観点から比較

では、本題であるClickとAdaloの比較に入っていきましょう。
まずは、ClickとAdaloをおおまかに表を用いて比較していきます。

項目ClickAdalo
機能性MVP・プロトタイプ開発には十分な機能が実装可能
また、日本市場にあった機能を豊富に備えている
(LINEログイン機能・PayPay決済機能等)
MVP・プロトタイプ開発には十分な機能が実装可能
現状、Clickより拡張性が高い
デザイン性MVP・プロトタイプ開発には十分なデザインが実装可能MVP・プロトタイプ開発には十分なデザインが実装可能
パフォーマンスかなりサクサクMVP・プロトタイプ開発には十分だが、Clickには劣る
料金
※料金形態が異なる

※料金形態が異なる
学習難易度普通
開発環境が日本語のため、Adaloより学習しやすい傾向がある
普通(英語が苦手な人には少し難)
開発環境が英語のため、Clickより学習しにくい傾向がある
教材の豊富さ少ない多い
サポート体制手厚い
日系のノーコードツールでもあり、サポート体制は手厚い
普通
海外のノーコードツールのため、Clickには劣る

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機能性

機能性においては、目的に応じてそれぞれのツールを使い分ける必要があります。

Click
:日本市場にあった機能(LINEログイン機能やPayPay決済機能等)を実装したい場合は、「Click」がおすすめです。
Adalo:また、少々複雑な機能(レーダーチャート機能・ティンダーのようなスワイプ機能等)を実装したい場合は、「Adalo」の方が現状は良いでしょう。
どちらのツールも、「ネイティブアプリ(Apple/Google へリリース可能)」と「Webアプリ」を同時に開発できるため、大幅なコスト削減・大幅な開発期間の短縮が期待できます。

デザイン性

ClickとAdaloで開発するアプリのデザイン性においては、大きくは変わらないですが、強いて言えば、「Adalo」の方が拡張性があります。ただし、実装するエンジニアのスキルにも依存する部分が大きいでしょう。

Click:ドラック&ドロップで直感的にデザインを構築することが可能です。
ボタンやアイコン、アニメーションなどのパーツが充実しており、toBや社内向けアプリを作るには無駄がなく、実用的なデザインを構築することが可能です。また、toC向けのサービスやアプリを開発する分にも十分なデザインを構築できるでしょう。
Adalo:Adaloの場合も、ドラッグ&ドロップで直感的にデザインを組み立てられるだけでなく、ボタンやアイコン、アニメーションなどのパーツが充実しており、まるでプロのデザイナーが作ったような仕上がりになります。そのため、、toBや社内向けアプリだけでなく、toC向けのサービスやアプリを作るときに、特に強みを発揮します。また、有料のコンポーネントを購入することにより、よりデザイン性の優れたアプリケーションを作成することもできます。

パフォーマンス

パフォーマンスにおいては、「Click」の方が優れています。ただ、実装するエンジニアのスキルに依存する部分が大きいでしょう。

Click:AWSのオートスケーリングを実装しているため、多くのユーザーが利用するアプリやメッセージ機能、ライブ配信のようなデータ処理の多いアプリも開発が可能です。
10万ユーザーにも対応でき、実際にリリースから2ヶ月でダウンロード数が3万6,000件に達し、順調に運用しているアプリもあります。
Adalo:Adaloも、プロトタイプとしては十分なパフォーマンスとして作動します。もちろん、メッセージ機能やビデオ通話機能を持ったデータ処理が比較的多いアプリも開発が可能です。
実際に、1万人以上のユーザーを持ったアプリや40万件のレストランデータをもつドイツ・アメリカ向けファストフードアプリもあります。単純なデーター量であれば、10万件以上あっても問題なくパフォーマンスを発揮することが証明されています。


https://forum.adalo.com/t/just-wanted-to-show-adalos-power/39163/8?u=simm
https://forum.adalo.com/t/just-wanted-to-show-adalos-power/39163/8?u=simm

料金

料金においては、ClickとAdaloのそれぞれのプランで実装できる機能・容量等が異なるので、注意が必要です。
共通点としては、ClickもAdaloも無料から運用・開発することができ、リリースする場合は月額数千円からアプリのリリース・運用が可能です。また、フェーズに応じて最適なプランを選択することで、運用コストを大幅に削減することができます。

https://click.dev/#plan

Clickの料金形態は、4つの基本プランに基づくサブスクリプション制になっています。
Freeプランからアプリを開発することは可能ですが、プランによって実装できる機能や容量の制限があるため、自社の目的に応じて選択することが重要です。
私の経験から、お試しの場合は、Freeプランで十分ですが、本格的にリリースする際にはPro以上のプランが必要になるでしょう。
Clickの料金形態に関しては、下記の記事にてより詳しく解説していますので、是非ともご覧ください。
【2024年最新】ノーコードClickの料金プラン・目的ごとに最適なプランを徹底解説!

https://ja.adalo.com/pricing

Adaloの料金形態は、Clickと似ており、5つのプランに基づくサブスクリプション制になっています。
Adaloの場合も、プランによって実装できる機能や容量の制限があるため、自社の目的に応じて、最適なプランを選択する必要があります。
私の経験から、スタータープランからリリースはできますが、容量の問題からプロフェッショナル以上のプランであれば、一通り困ることなくAdaloの機能を活用できるでしょう。

学習難易度

学習難易度においては、「Click」の方が低く、学習・習得しやすいでしょう。
Click
:直感的な操作で開発ができるだけでなく、完全日本語対応の開発環境で開発することが可能なため、英語が得意ではない方にとっては、かなり学習しやすいでしょう。
Adalo:Adaloは海外製のノーコードツールのため、開発環境も基本的には英語になります。また、開発ドキュメント等も基本的には英語で提供されているため、英語に抵抗感のある方は少々学習につまづくことがあるでしょう。

教材の豊富さ

教材の豊富さにおいては、「Adalo」の方がかなり多く存在します。

Click:Clickは日系ノーコードツールとして日本市場に特化しているものの、学習リソースの数が限られているのが現状です。公式ウェブサイトには基本的なガイドラインやヘルプページが用意されていますが、Adaloのような多様な形式の教材はありません。
現状提供されているClickの学習リソースは次の通りです:

  • 公式コミュニティ:開発における、具体的で応用的なトラブルに関して、質問することができるコミュニティがあります。
  • 公式チュートリアル動画:基本的な操作方法やアプリ作成の手順を解説する動画が公式サイトで提供されています。しかし、現時点では動画の本数が限られており、また応用的な機能や具体的なユースケースに関する解説が少ないのが現状です。
    Clickを本格的に学ぶには、公式ドキュメントだけではなく、実際に触りながら試行錯誤する必要があるため、Adaloと比べて学習コストが高いと感じる人もいるでしょう。

Adalo:Adaloはグローバルなユーザー基盤を持つノーコードツールで、特に学習リソースの充実度が目を引きます。公式ウェブサイトにはチュートリアルやドキュメントが数多く用意されており、アカウントを作成したその日からすぐにアプリ開発を始められる環境が整っています。以下のような教材が利用可能です。

  • 公式ドキュメント:インターフェースの基本操作から複雑な機能設定まで、段階的に解説されています。
  • 公式YouTubeチャンネル:動画形式のチュートリアルが豊富で、視覚的に操作方法を学ぶことができます。
  • 外部リソース:ブログやノウハウ記事、YouTube動画等が多く、Adaloを使ったさまざまな応用例、エラーの解決方法を学べます。
    さらに、ノーコードに特化したオンライン学習プラットフォームでは、Adaloを題材にした講座が数多く開講されています。英語が理解できるユーザーであれば、これらの教材を活用することで、ほぼ独学でアプリを作れるほどの情報が揃っています。

サポート体制

サポート体制においては、「Click」の方が良いでしょう。

Click:Clickの場合は、何か問題が起きた際にコミュニティに投稿すると、数日以内には返信・対応をしてくれます。また、日本の企業がサービスを提供しているため、当然日本語でお問い合わせに対し、返答をしてくれます。プランによっては、Click開発環境内に独自のシステムを導入してくれたり、独自の機能を実装してくれたりと企業ごとに柔軟に対応もしてくれます。

Adalo:Adaloの場合も、コミュニティ自体はあるのですが、投稿しても返信に1週間ほどかかったり、お問い合わせした場合、返信に1週間弱かかったりと、Clickに比べて対応が少し遅いです。また、海外製のツールのため、お問い合わせに対する返信が英語であったりと、英語に抵抗感のある方は少々難しさを感じるでしょう。

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まとめ

今回は、ClickとAdaloの7つの観点を徹底比較しました。
どちらを選択するか・活用するかにおいては、開発背景・目的等に応じて選択することが極めて重要です。
最適な選択・活用することで、それぞれの良さを最大限に活かすことができます。
では、最後に7つの観点をまとめてみましょう。

項目ClickAdalo
機能性⭕️ 
デザイン性⭕️ ⭕️ 
パフォーマンス⭕️ 
料金⭕️ ⭕️ 
学習難易度⭕️ 
教材の豊富さ⭕️ 
サポート体制⭕️ 

最後に、ClickとAdaloを選定する上で簡単にまとめると、
・自社で開発人材を内製化したい場合・アプリパフォーマンスを重要視する場合は、「Click」
・レーダーチャート等の特定の必須機能を実装したい場合は、「Adalo」
といった認識で問題ないでしょう。
また、それでもなおノーコードツールの選定にご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
本件の記事が、皆様のノーコードツール選定に少しでもお役に立てれば、幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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執筆者:西澤志門

執筆者:西澤志門

ソウゾウ合同会社代表/一般社団法人Nocoders Japan 理事/公認ノーコードAdaloエキスパート ノーコードを活用して、50以上の新規事業支援やDX支援を行っている。

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