「Excelの在庫表が現物と合わない」「既製の在庫管理システムが自社の数え方に合わない」「作りたいが、どの方法を選べばいいか分からない」——この記事では、AI×ノーコードでの開発支援を150社以上で行ってきた会社が、在庫管理システムの作り方を4つの選択肢で比較し、選ぶ前に決めるべきことから解説します(2026年8月時点)。

在庫管理システムの作り方は「AI開発を支援に頼む」「ノーコード」「自分で作る」「外注」の4つです。費用はモック無料から数百万円規模まで開きますが、どれを選んでも同じところでつまずきます。
つまずくのは機能ではありません。システムの数字(理論在庫)と、棚にある現物(実在庫)がズレることです。一度ズレると現場は数字を信じなくなり、入力しなくなり、さらにズレる。だから作り方を選ぶ前に、「ズレを誰がいつ直すか」を決めてください。ここが決まっていれば、どの方法でも回ります。
01 在庫管理システムの開発 早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作り方は4つ | AI開発を支援に頼む/ノーコード/自分で作る/外注 |
| 費用の幅 | モックの作成は無料(簡単なものなら6時間)。MVP・検証は50万円〜/ノーコード 月数千円〜/自作 Claudeの利用料(月約3,000円〜・1ドル150円換算)/外注 数百万円規模〜 |
| 期間の目安 | モックは6時間〜。現場が使い始めるまでを含めて2〜4週間 |
| 🔴 選ぶ前に決める3つ | ①どこまでを在庫とするか ②単位を1つに揃える ③ズレを誰がいつ直すか |
| 最も多い失敗 | 理論在庫と実在庫がズレたまま放置される。機能不足ではない |
| 実装の落とし穴 | スマホのカメラを使うならHTTPSが必須(本文で詳説) |
| まず試すなら | 1拠点・数十品目から。全社在庫を最初から狙わない |
02 そもそも「在庫管理システム」はどこまでを指すか
「在庫管理システム」と言っても、指す範囲は会社によって違います。ここを揃えないまま相談すると、見積もりが桁で変わります。
・①数を数えるだけ——品目・現在庫・入出庫の記録。ここだけなら小さく作れる
・②置き場所まで管理——棚番(ロケーション)を持つ。倉庫が広いと必要になる
・③発注まで含む——適正在庫を切ったら知らせる、発注書を出す
・④販売管理・会計と繋ぐ——受注や仕入と連動する。ここから一気に重くなる
最初は①だけで構いません。①が回っていない会社が④を作っても、元の数字が合っていないので意味がありません。
03 🔴 作り方を選ぶ前に、決めておく3つ
作り方より先に、この3つを決めてください。決まっていれば、どの方法を選んでも回ります。逆にここが曖昧なままだと、外注に数百万円かけても同じ結果になります。
| 決めること | なぜ必要か | 決め方の目安 |
|---|---|---|
| ①どこまでを在庫とするか | 範囲が曖昧だと見積もりが桁で変わる | まず「数を数えるだけ」に絞る。販売管理との連動は後回しでよい |
| ②単位を1つに揃える | 箱と個が混ざると、人の頭で換算することになり必ずズレる | 数える単位を1つ決める。両方使うなら換算をシステムに持たせる |
| 🔴 ③ズレを誰がいつ直すか | ズレは必ず起きる。直す手順が無いと放置され、数字が信用されなくなる | 棚卸の頻度と担当を先に決める。週1回・特定の担当、が現実的 |
特に③です。「ズレない仕組み」を作ろうとする会社は多いのですが、記録されない出し入れがある限り、ズレはなくなりません。目指すべきは「ズレを早く見つけて直せること」です。棚卸で実数を入れたとき、システムの数字との差をそのまま記録し、誰がいつ直したかを残す——この地味な機能が、在庫管理では一番効きます。
04 4つの作り方——AI開発・ノーコード・自作・外注
3つが決まったら、作り方を選びます。費用だけで選ばないでください。効いてくるのは「作った後、誰が直せるか」です。
| 作り方 | 費用の目安 | 期間 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| AI開発を支援に頼む (当社の爆速AIアプリ開発) |
モックの作成は無料(簡単なものなら6時間)。MVP・検証は50万円〜 | モックは6時間〜/MVPは数週間 | 在庫の数え方が独自で、既製品に合わせられない 先に動くものを見てから決めたい場合に最短 |
| ノーコード | 月数千円〜数万円 | 数日〜 | 作った後、現場が自分で直したい。項目の変更が頻繁 |
| 自分で作る (Claude Codeなど) |
Claudeの利用料(月約3,000円〜・1ドル150円換算)+公開実費 | 試作は数日 | 社内に直せる人がいる。既製の枠に収まらない要件がある |
| 外注開発 | 数百万円規模〜 | 数か月 | 要件が固まっていて社内に作る人を置けない。土台だけ頼む分け方も有効 |
※外注費用は一般的な相場感であり、確定額ではありません。要件により大きく変動します。当社の費用はサービスサイトの公開値です(2026年8月時点)。
05 費用の内訳——何にお金がかかるのか
見積もりの金額だけを比べても判断できません。同じ「100万円」でも、中身がまったく違います。
| 費目 | 何の費用か | 抑えられるか |
|---|---|---|
| 要件を決める作業 | 何を作るかを固める。打ち合わせ・整理・合意 | 抑えられます。先に社内で3つ(本文02)を決めておくほど短くなる |
| 作る作業 | 画面・データの設計と実装 | AIで大きく下がった部分。ここだけを比べると差が出やすい |
| 現場に入れる作業 | 移行・説明・初期データの投入 | 抑えにくい。人が慣れる時間は短縮できない |
| 直し続ける費用 | 運用開始後の改修・障害対応 | 🔴 ここが本命。社内で直せる形にしておけば大きく下げられる。外に頼み続ける形だと毎年かかる |
🔴 最も見落とされるのが4つ目です。作る費用は下がりましたが、直し続ける費用は下がっていません。むしろ作れる本数が増えたぶん、維持する対象が増えています。「作った後、誰が直せるか」を費用として見積もってください。
📗 まず「動くもの」を見てから決めたい方へ
当社の爆速AIアプリ開発では、要件定義の前にまず動くモックをお出しします。モックの作成は無料で、簡単なものなら6時間でお渡しできます。在庫の数え方は会社ごとに違うので、実物を触ってから決めるのが最短です。
06 🔴 AIで変わったのは「金額」ではなく「比率」です
ここは、他の費用記事ではあまり書かれていない話です。そして、いま見積もりを読むときに最も効く視点です。
システム開発の費用は、昔からおおよそ次の割合で構成されます。
| 費目 | 従来の割合の感覚 | 🔴 AIを使うとどうなるか |
|---|---|---|
| 要件を決める | 1〜2割 | 変わらない。むしろ相対的に重くなる |
| 作る | 5〜6割(最大の費目) | 大きく下がった |
| 試す・直す | 1〜2割 | やや下がる |
| 移行する | 1割弱 | 変わらない |
| 現場に入れる | 1割弱 | 変わらない。人が慣れる時間は短縮できない |
※割合は当社の受託実績と、相談時にお客様から共有された他社見積もりにもとづく実務上の感覚です。公的な統計ではありません。
🔴 ここから2つのことが言えます。
- 最大の費目だった「作る」が下がったので、総額は下がりました。これは事実です
- しかし「要件を決める」「移行する」「現場に入れる」は下がっていません。だから総額に占める比率が上がりました
つまり、いまの見積もりで金額を左右するのは「作る作業」ではなく、その前後になっています。
だから「AIで作れるので安くなりますよ」という提案を受けたら、前後の工程がどう見積もられているかを確認してください。作る部分だけを安く見せて、移行と定着を薄く見積もっている見積書は、運用開始後に必ず足が出ます。
そしてこの構造は、社内で先に決めておくほど費用が下がるということでもあります。単位を1つに揃える、棚卸の頻度と担当を決める——これを打ち合わせでやると、その時間が全部「要件を決める」費用になります。
07 補助金は使えるのか
在庫管理システムの導入では、国の補助制度が使える場合があります。
従来「IT導入補助金」と呼ばれていた制度は、2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」という名称で運用されています(中小企業・小規模事業者等が対象)。
🔴 ただし、次の点にご注意ください。
- 補助額・補助率・公募期間は年度や枠によって変わります。この記事では金額を書きません。必ず公式サイトで最新をご確認ください
- 対象になるのは、原則として登録された事業者・登録されたツールです。自作や、登録されていない開発会社への依頼は対象外になることがあります
- 採択されるとは限りません。補助金を前提に予算を組むと、不採択のときに計画ごと止まります
実務的な考え方としては、「補助金が下りたら上振れ」くらいに置いて、下りなくても回る予算で計画するのが安全です。
08 どれを選ぶべきか——判断の順番
迷ったら、この順で考えてください。
| こういう場合 | おすすめ |
|---|---|
| 何を作ればいいかまだ固まっていない/実物を見て判断したい | AI開発を支援に頼む。まず無料のモックで実物を見てください |
| 品目や項目の追加を、現場が自分でやりたい | ノーコード。作った後を現場に渡せます |
| 既製の枠に収まらない要件があり、社内にコードを書ける人がいる | 自分で作る。ただし直せる人が社内に要ります |
| 販売管理・会計との連携まで含め、要件が固まっている | 外注。ただし「作って終わり」でなく、直せる形で受け取ること |
09 作り方——在庫管理システムを形にする5ステップ
- 倉庫を歩いて、在庫が「どこで」動いているかを確認する。入庫の受け取り口、仮置き場、出荷口。記録されない出し入れが起きている場所を先に特定します。ここを飛ばすと、作った直後からズレます。
- 単位を1つに決める。箱か個か。両方使うなら換算をシステムに持たせ、人の頭で計算させないこと。単位の食い違いは、あとから直すのが最も面倒です。
- 在庫の持ち方を決める。現在庫を1つの数字として保存するのではなく、入出庫の履歴から計算する形にします。そうしないと「なぜこの数になったか」を追えません。
- 棚卸の画面を、入出庫の次に作る。あとで作ろうとすると必ず後回しになります。実数を入力し、システムの数字との差をそのまま残す——ここまでで最小構成です。
- 現場のスマホで、現物を使って試す。バーコードは印刷の状態や光の当たり方で読めないことがあります。机の上ではなく倉庫で試してください。
10 在庫が合い続けている5つの型
うまくいっているのは、「全社の在庫を1つのシステムで管理する」を狙わなかった会社です。
| 型 | 何を管理するか | なぜ在庫が合い続けるか |
|---|---|---|
| ①1拠点限定型 | 1つの倉庫・1つの店舗だけ | 持ち出す人の顔が見えるので、記録されない出庫が起きにくい |
| ②高額品限定型 | 単価の高い数十品目だけ | 数が少ないので棚卸が毎週できる。ズレてもすぐ直る |
| ③消耗品・貸出型 | 工具・備品・サンプルの貸出と返却 | 借りた人が返す動機を持つので入力が続く |
| ④発注点管理型 | 在庫数より「いつ発注するか」に絞る | 入力の見返りが即座にある(発注漏れが減る) |
| ⑤既製品の補助型 | 既製システムに無い自社固有の項目だけ | 置き換えないので現場の反発が小さい |
11 在庫管理システムでつまずきやすい点
① 現在庫を「数値」として持ってしまう
現在庫を1つの数字として保存し、入出庫のたびに足し引きする作りは簡単ですが、ズレた原因を追えません。入出庫の履歴を残し、現在庫はそこから計算する形にしてください。「先週の水曜の時点で何個あったか」に答えられるかが分かれ目です。
② スマホのカメラを使うのにHTTPSを用意していない
バーコードやQRをスマホのカメラで読む機能は、ブラウザの仕様上HTTPS(安全な接続)でないと動きません。カメラを使う getUserMedia はセキュアコンテキストでのみ利用でき、http:// のページからは呼び出せません(localhostは例外)。社内サーバーにhttpで置いて「カメラが起動しない」と詰まるのは非常に多い失敗です。
③ ブラウザ標準のバーコード読み取りを当てにする
ブラウザにはバーコードを認識する仕組み(BarcodeDetector)がありますが、2026年8月時点で実験的な機能とされ、対応ブラウザは限定的です。現場のiPhoneでは動かないことがあります。読み取りライブラリか、専用のハンディスキャナを使うほうが確実です。
④ 作った人しか直せない状態になる
自作でも外注でも起こります。項目を1つ足すのに毎回外へ頼む状態になるなら、ノーコードのほうが合っています。「作った後、誰が直すか」を最初に決めてください。
12 西澤の一言|在庫は「合わせる」より「ズレに気づく」ほうが大事
西澤 志門ソウゾウ代表
そして、ズレは必ず起きます。だから「ズレない仕組み」ではなく「ズレを早く見つけて直す仕組み」を作ってください。棚卸で実数を入れたときに差をそのまま記録し、誰がいつ直したかを残す。この地味な機能が一番効きます。
作り方の選択は、そのあとです。当社が最初に無料でモックをお出ししているのは、「議論より実物のほうが早く決まる」からです。触ってみると、要らない機能がはっきりします。
同じ在庫管理システムについて、別の角度からもまとめています。
在庫管理システムの開発費用——相場・内訳・安く抑える方法と、見積もりで確認すべき5項目
Claude Codeで在庫管理システムを開発する——自分で作る場合の手順と、デモで触れる実物
🔧 参考:AIエージェント(Claude Code)で自作すると、どこまでできるか
本記事は作り方の選択肢を横並びで比べるものですが、判断材料として1つだけ。当社ではClaude Codeで同種のシステムを自作し、実際に触れるデモを公開しています(入出庫・棚卸・ロット期限・イベント履歴まで実装)。「自作でどこまでいけるか」の肌感を掴むのに使ってください。登録は不要です。
▶ 在庫管理システム(KURA)のデモを触ってみる / Claude Codeでの作り方を読む
13 よくある質問(FAQ)
在庫管理システムの開発方法にはどんな選択肢がありますか?
大きく4つです。①AI開発を支援に頼む ②ノーコード ③自分で作る(Claude Codeなど)④外注開発。費用はモック無料から数百万円規模まで開きますが、選ぶ前に「どこまでを在庫とするか」「単位」「ズレを誰が直すか」の3つを決めることのほうが重要です(2026年8月時点)。
開発費用はどれくらいかかりますか?
当社の爆速AIアプリ開発はモックの作成が無料(簡単なものなら6時間)、MVP・検証は50万円〜です。ノーコードは月数千円〜数万円、自作はClaudeの利用料(月約3,000円〜・1ドル150円換算)+実費、外注は数百万円規模〜が一般的な相場感です。外注費用は要件により大きく変動します。
どれくらいの期間でできますか?
モックなら6時間〜、MVPは数週間が目安です。ただし現場が使い始めるまでを含めると2〜4週間かかります。時間がかかるのは開発ではなく、現場を歩いて実態を調べることと、単位の決め方の合意形成です。
なぜ在庫が合わなくなるのですか?
原因は機能不足ではありません。記録されない出し入れ、入力の後回し、単位の食い違い、そしてズレを直す手順が決まっていないことです。一度ズレると現場は数字を信じなくなり、入力しなくなり、さらにズレます。
バーコードやQRコードは使えますか?
使えます。ただしスマホのカメラを使うにはHTTPSでの公開が必須です(localhostは例外)。またブラウザ標準のバーコード認識機能は2026年8月時点で実験的な扱いで対応が限られるため、読み取りライブラリか専用のハンディスキャナを使うほうが確実です。
既製の在庫管理システムではだめですか?
標準的な倉庫運用で、販売管理や会計との連携が主目的なら既製品のほうが早く安いです。自作や内製が向くのは、単位や現場の流れが独自で既製品の項目に合わせられない場合、あるいは既製品を入れたが現場が入力しなくなった場合です。
まず何から始めればいいですか?
1拠点・数十品目からです。全社在庫を最初から狙わないでください。品目台帳・入出庫・棚卸の3つだけで、Excel管理よりは確実に良くなります。
作った後、自分たちで直せますか?
方法によります。項目の追加を現場が自分でやりたいならノーコード、既製の枠に収まらない要件があり社内に書ける人がいるなら自作が向きます。「作った後、誰が直すか」を最初に決めてください。
14 まとめ
- 作り方は4つ——AI開発を支援に頼む/ノーコード/自分で作る/外注
- 🔴 選ぶ前に3つ決める。①どこまでを在庫とするか ②単位を1つに ③ズレを誰がいつ直すか
- 失敗の原因は機能不足ではなく、理論在庫と実在庫がズレたまま放置されること
- 目指すのは「ズレない仕組み」ではなく「ズレを早く見つけて直す仕組み」
- 現在庫は数値で持たず、入出庫の履歴から計算する。そうしないと原因を追えない
- スマホのカメラを使うならHTTPSが必須。ブラウザ標準のバーコード認識は実験的(2026年8月時点)
- まずは1拠点・数十品目から。全社在庫を最初から狙わない
🤝 自社の数え方に合った在庫管理を、一緒に作ります
当社はAI×ノーコードでの開発支援を150社以上で行ってきました。まず倉庫を一緒に歩いて、記録されない出し入れがどこで起きているかを確認します。その上で、作り方をご提案します。土台だけのご依頼も承ります。
15 出典・参考(2026年8月時点)
- ソウゾウ:爆速AIアプリ開発(モック無料・MVP 50万円〜。金額は公開値、2026年8月時点)
- 外注費用は一般的な相場感であり、確定額ではありません。要件により大きく変動します
- MDN:MediaDevices.getUserMedia()(カメラの利用はセキュアコンテキスト=HTTPSが必須)
- MDN:BarcodeDetector(実験的機能・対応は限定的。2026年8月時点)
- 型の分類・つまずきの整理は、当社の在庫/倉庫まわりの業務システム構築支援(150社以上)の実務にもとづきます


