1.【結論】店舗アプリの開発費用はいくらか
店舗アプリの費用は、搭載する機能の範囲とデータ構造の複雑さで大きく変わります。
まずは「小規模〜中規模」「大規模店」「ノーコード」の3軸でレンジを固めるのが合理的です。
1-1. 小規模〜中規模の「店舗専用アプリ」
個人店〜複数店舗を対象にした一般的な店舗アプリで、もっとも需要が多いです。
ライト版(必要最低限)
- 会員証
- 店舗情報(住所・営業時間・メニュー)
- クーポンの表示・利用
目安:50万〜150万円
標準版(基本機能が一通り)
- 予約機能
- ポイント管理
- クーポン配信
- 通知
- マイページ(会員情報・履歴)
目安:150万〜500万円前後(中規模で連携が多い場合は最大900万円)
単店舗・数店舗レベルのアプリは、この範囲に収まることがほとんどです。
1-2. 「大規模店舗アプリ/公式アプリ」を目指す場合
複数店舗の展開を前提にしたアプリは、前提条件そのものが異なります。
特徴
- 多店舗の在庫・予約枠・ポイントの統合管理
- 顧客管理(来店履歴・購入履歴・会員ランク)
- レジ情報・決済システムとの連携
- 本部/店舗の複数権限管理
- 自動配信の連携や条件分けの通知
目安:1,500万〜3,500万円(全国店舗・顧客管理・外部連携多数を前提)
機能数よりも、データ量・システム連携・管理画面の規模が費用に大きく影響します。
1-3. ノーコードで作る場合の現実的なレンジ
ノーコードは店舗アプリと特に相性が良い領域です。
ただし、“業務利用レベル”を想定するなら、一定の費用帯は発生します。
最低限(会員証・店舗情報) → 10〜50万円(要件定義込みなら30〜80万円)
基本(予約・クーポン・ポイント) → 80〜250万円
複雑(多店舗管理・会員ランク・分析) → 250〜500万円
運用費(ノーコード)→ 月額:5,000〜20,000円
「まず形を作って試す」段階では、もっとも費用対効果の高い選択肢になります。
規模別の開発費用テーブル
| 規模 | 想定内容 | 開発方式 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 小規模 | 単店舗、会員証+予約 | ノーコード中心 | 50〜250万円 |
| 中規模 | 複数店舗、ポイント+通知+予約 | ノーコード or スクラッチ | 200〜900万円 |
| 大規模 | チェーン、顧客管理統合・分析・権限管理 | スクラッチ | 1,500〜3,500万円 |
2.【落とし穴】アプリ費用が倍になる主な要因
店舗アプリは「会員・予約・ポイント・通知」といった顧客管理寄りの機能が多いため、
同じ店舗アプリでも見積もりが数十万〜数百万円変動しやすい 分野です。
ここでは、金額が大きく伸びる3つの要因を整理します。
2-1. 機能量が増える(会員・予約・ポイントの複雑化)
店舗アプリの費用は、1つの機能をどこまで詳細に設計するかで大きく変わります。
代表的な変動ポイントは以下です。
会員関連
- メール+パスワードのみ
- SNSログイン追加
- 会員ステータス(シルバー/ゴールド)追加
→ ステータスを持たせると、履歴と条件分岐が増えるため費用上昇
ポイント機能
- 一律付与型
- 商品別/曜日別などの条件分岐
- ポイント履歴の表示
→ 条件分岐が増えると工数が拡大しやすい
予約機能
- 日付・時間・人数のみ
- メニュー選択、指名予約
→ 飲食・美容の予約は仕様が肥大化しやすい
1つの機能を「最小限」で済ませるか、「こだわり」を入れるかで、費用は段階的に増加します。
2-2. データ構造・連携処理が複雑になる
店舗アプリでは、データと外部サービス連携が費用の大きな要因です。
代表的なコスト増は次です。
多店舗管理
- 店舗ごとのメニュー・在庫・予約枠
- 店舗別のポイント・クーポン
連携処理
- レジ情報の連携
- 決済サービス連携(例:Stripe・PayPay)
- 予約台帳、顧客管理ツールとの同期
履歴の保持
- 来店履歴
- クーポン利用履歴
- ポイント履歴
→ 履歴を保持するたびに、データ構造と管理画面の工数が増える
単純な「店舗アプリ」から、
“業務システムとしてのアプリ”に近づくほど費用が膨らむ のが特徴です。
2-3. 管理画面が肥大化する
アプリ本体よりもコストがかかることが多いのが管理画面です。
代表例:
権限管理
- 本部
- 店舗管理者
- スタッフ
→ 権限を切り分けると、管理画面の構造が複雑になる
クーポン運用
- 作成
- 配信(即時 or 予約配信)
- 配信対象の絞り込み(属性・来店回数など)
予約管理
- 承認・変更・キャンセル
- 当日枠の調整
- 店舗別の空席管理
会員・ポイント管理
- 会員情報
- 履歴表示
- ランク変更
管理画面は「できたら便利」の集合になりやすいので、
要件を広げすぎると100万〜数百万円規模まで一気に膨らむ ことがあります。
3.【機能別のリアルな費用】どこにコストがかかるのか
ここでは、代表的な店舗アプリ機能ごとに、現実的な費用レンジを整理します。
あくまで目安ですが、「どこを削るか・どこに投資するか」を判断する材料になります。
3-1. 店舗情報・メニュー表示
店舗情報管理:10〜30万円
- 店舗基本情報(名称・住所・電話・営業時間)
- 写真・説明文の登録
- 店舗側で編集できる簡易の管理画面
メニュー表示:20〜50万円
- メニュー一覧・価格
- カテゴリ分け(フード/ドリンクなど)
- 在庫切れ表示や非表示機能(必要に応じて)
シンプルな“表示のみ”であれば下限寄り、
店舗側で頻繁に更新する前提だと上限寄りになります。
3-2. 会員登録・ログイン・マイページ
会員登録・ログイン:20〜60万円
- メール+パスワードでの会員登録
- ログイン/パスワードリセット
- 退会処理
オプション(追加で増える例)
- SNSログイン(+10〜30万円)
- プロフィール項目の変更
- お気に入り店舗・閲覧履歴の保存(+10〜20万円)
「会員証アプリ」として最低限の役割を果たす部分なので、
ほとんどの店舗アプリで必要になります。
3-3. クーポン・ポイント
クーポン機能:20〜40万円
- クーポン一覧表示
- 利用条件の表示
- 利用済みステータスの管理
ポイント機能:40〜90万円
- ポイント付与(会計連動 or 手動入力)
- ポイント残高表示
- 利用履歴表示
会員ランク制度:30〜80万円
- ランク条件の設定(来店回数・利用金額など)
- ランクごとの特典設定
- ランク別クーポン配信との連動
ここは売上に直結する領域のため、
要件を増やすと費用も比例して増えやすい部分です。
3-4. 予約機能(飲食・サロン・小売で変動)
基本的な予約機能:50〜100万円
- 日付・時間・人数の選択
- 予約内容の確認・キャンセル
- 店舗への通知
発展した予約機能:80〜150万円
- メニュー選択(コース・施術内容など)
- スタッフ指名
- キャンセル期限・キャンセル料の設定
- 外部予約システムとの連携
飲食店やサロンの場合、予約機能の仕様が増えやすいため、
早い段階で「どこまでやるか」を決めることが重要です。
3-5. 通知・お知らせ機能
プッシュ通知:20〜30万円
- 一斉配信
- 予約お知らせ通知
- キャンペーン・新メニューのお知らせ
条件分けの通知(任意):30〜60万円(※通知機能を拡張した場合の“参考目安”)
- 会員ランクごと
- 最終来店日からの経過日数ごと
- 特定店舗の利用者のみ、など
店舗アプリでは「通知をどこまで細かく出し分けるか」で費用が分かれます。
3-6. 顧客管理・分析(顧客管理の軽量版)
履歴管理:40〜80万円
- 来店履歴
- クーポン利用履歴
- ポイント利用履歴
簡易の集計画面:50〜120万円
- 会員数推移
- 来店回数分布
- クーポン利用状況
- 店舗別の利用状況
本格的な自動配信ツールと連携するか、
アプリ内で軽量な集計画面を持つかで費用は変わります。
3-7. 機能別費用一覧テーブル
| 機能カテゴリ | 費用目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 店舗情報管理 | 10〜30万円 | 基本情報・写真・説明文 |
| メニュー表示 | 20〜50万円 | メニュー一覧・価格・カテゴリ |
| 会員登録・ログイン | 20〜60万円 | 登録・ログイン・退会 |
| クーポン機能 | 20〜40万円 | クーポン表示・利用管理 |
| ポイント機能 | 40〜90万円 | 付与・残高・履歴 |
| 会員ランク制度 | 30〜80万円 | ランク条件・特典 |
| 予約機能(基本〜発展) | 50〜150万円 | 予約・キャンセル・連携 |
| プッシュ通知 | 20〜30万円 | 一斉配信・リマインド |
| 条件分けの通知 | 30〜60万円 | 属性別・履歴別配信 |
| 履歴管理・簡易の集計画面 | 40〜120万円 | 来店・クーポン・ポイント・集計 |
※ 複数社の機能別相場を統合した“参考の範囲のもの”です。実際は要件により前後します。
4.【失敗しない発注のコツ】店舗アプリならではの注意点
4-1. 最初に「画面一覧」を作る
費用は、画面数と機能数とデータ構造で決まります。
最初に、以下のような画面一覧を作成しておくと、見積もりの精度が上がります。
- ホーム
- 店舗一覧・店舗詳細
- メニュー一覧
- 会員登録・ログイン
- 会員証
- クーポン一覧・詳細
- ポイント・来店履歴
- 予約画面
- マイページ
- 管理画面(店舗・本部)
画面の簡単な下書き(ワイヤーフレーム)が簡易なものでも、
「どの画面に何を表示するか」が共有できていれば十分です。
4-2. 見積もりの「含む/含まない」を必ず確認する
店舗アプリでは、「当然あると思っていた機能」が見積もりに含まれていないケースが多くあります。
特に以下は事前確認が必要です。
- 公開申請(App Store/Google Play)
- 文言やデザインの微調整
- プッシュ通知の設定・文面作成
- 使用解析ツールの導入
- レジ情報・予約・決済など外部サービスとの連携
- 多店舗管理・多拠点展開の設定
見積時に、各項目について
「これは含まれていますか」
と明確に確認しておくことで、後からの追加費用を防げます。
4-3. 保守・運用範囲を事前に決める
公開後に問題になりやすいのが、「保守の範囲」です。
確認すべきポイントは以下です。
- 文言変更・差し替えは保守内か
- 店舗追加・削除の対応はどうするか
- 障害発生時の対応時間と連絡手段
- 軽微な機能改善と、新機能追加の扱い
ノーコードの場合は月額5,000〜20,000円、
スクラッチ(0からコーディング開発)の場合は月額数万円〜十数万円になることが多いため、
「どこから先が追加費用になるのか」を明確にしておくことが重要です。
4-4. 「初期ノーコード → 成長後スクラッチ」という二段階戦略
店舗アプリでは、最初から大きな投資をするよりも、
次のような二段階戦略が現実的です。
- ノーコードで試作版(会員証・クーポン・予約)を構築
- 一定期間運用し、実際に使われる機能を把握
- 本当に成果に繋がる機能だけを残してスクラッチで再構築
これにより、
- 不要な機能への投資を避ける
- 開発期間を短縮する
- 現場の運用実態に合った仕様にできる
というメリットが得られます。
まとめ
- 店舗アプリの費用は、小規模で50〜250万円、中規模で200〜900万円、チェーン向けでは1,500万〜3,500万円が目安。
- 費用が膨らむ要因は、機能の複雑化、データ連携、管理画面の肥大化。
- 機能ごとの目安金額を把握し、画面一覧と見積もり条件を明確にすることで、無駄なコストとトラブルを避けられる。
最初はノーコードで検証し、成長段階でスクラッチに切り替える二段階戦略が現実的に取れる費用とリスクの両方を抑えやすい進め方です。
ノーコード導入を考えている方へ
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。
この記事を読んで、「ノーコードで業務や新しい事業を進めたい!」
そう思ってみたものの、「どのツールを使えばいいのか分からない」と感じる方は多いです。
ツールの情報は多く出ていても、実際に、自分のやりたい目的に当てはめると判断まではできない。
ここで手が止まってしまうのは、ごく自然なことです。
私たちソウゾウは、これまで110社以上のノーコード導入支援を行う中で、
最初にツール選定を誤ることで、後から作り直しになるケースを数多く見てきました。
だからこそ、導入前に
・何を目的に、どんな運用を想定しているのか
を開発前の着実なヒアリングで整理し、本当に合うツールを一緒に決めることを大切にしています。
いきなり全体を一気に導入でなくても構いません。
まずは一部の業務を想定しながら、ツール選定だけでも整理してみませんか。
ノーコードツール選定の無料相談をご利用いただけます。

