介護のAI・ICT導入率は?普及状況と効果を公的データで解説【2026年】

介護のAI・ICT導入率を公的データで解説

「介護業界では、実際どれくらいAIやICTが使われているの?」——導入を検討するとき、まず知りたいのが普及の実態です。この記事では、AI×ノーコードの導入支援会社(支援実績150社以上)が、介護のAI・ICT導入率と普及状況、導入効果を、厚生労働省や介護労働安定センターの公的データで整理します(2026年7月時点)。

結論

介護は2040年度に約272万人の介護職員が必要とされる深刻な人手不足で、AI・ICTの活用が待ったなしです。普及の実態は分野で大きく差があり、見守りセンサー(施設70.1%)や介護記録ソフト(75.4%)は普及フェーズ、一方で移乗支援ロボットは約6%とこれからです。

導入した現場では、昼間の業務負担軽減に効果ありが49.4%、夜間で44.6%と手応えが出ています。補助金(介護テクノロジー導入支援事業)や夜間人員配置基準の緩和といった政策の後押しもあり、「見守り・記録から始めて、段階的にロボットへ」という普及の道筋が見えてきています。

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01 なぜ介護でAI・ICTが必要か|人手不足の数字

背景にあるのは、他業種と比べても深刻な人手不足です。厚生労働省の推計(第9期介護保険事業計画)では、必要な介護職員数は次のように増え続けます。

2022年度 必要数

約215万人

2026年度 必要数

約240万人

2040年度 必要数

約272万人

2022→2040の増加

約57万人 必要

人口が減る中で57万人を新たに確保するのは容易ではありません。だからこそ、「人を増やす」だけでなく「一人あたりの負担を下げる=生産性を上げる」ためにAI・ICTが不可欠という位置づけになっています。

02 分野別の導入率|何が普及しているか

「介護のAI」とひとくくりにされがちですが、実際の普及率は分野で大きく違います(令和6年度介護労働実態調査・2025年7月公表)。

分野 導入率(目安) 状況
介護記録ソフト(PC) 約75.4% 普及済み(日常利用)
見守りセンサー(施設・入所型) 約70.1% 普及フェーズ
訪問系のタブレット・スマホ記録 約56.6% 広がり中
見守り(居住系) 約41.7% 広がり中
移乗支援ロボット 約6.2% これから
移動支援ロボット 約5.4% これから
排泄支援ロボット 約1.9% これから

ポイントは「記録・見守りは普及、ロボットはこれから」という二極化です。なぜこの差が生まれるのか、両者の特徴を並べると理由が見えてきます。

普及が進む領域(記録・見守り)

  • 1台あたり数万円〜月額数千円と始めやすい
  • 「記録時間の削減」など効果が数字で見えやすい
  • 全職員が毎日使う=投資対効果が高い
  • 導入事例・ノウハウが豊富で失敗しにくい

これからの領域(移乗・移動ロボット)

  • 購入100万円/台級と高額で稟議が重い
  • 使う場面・対象者が限られ稼働率が読みにくい
  • 設置スペース・メンテ・操作習熟が必要
  • 補助金前提の資金計画が要る

VS

つまり「安価で効果が見えやすいものから普及する」のは自然な流れ。ロボットは効果が大きい反面、コストと運用のハードルが高く、補助金・人員配置緩和といった後押しが揃って初めて広がります。

規模・サービス種別でも差がある

導入率は事業所の規模が大きいほど、また入所型(施設系)ほど高い傾向があります。夜間も含めて多くの利用者を限られた人員で見守る施設系ほど、見守りセンサーの費用対効果が出やすいためです。逆に小規模・訪問系は、まずタブレット・スマホでの記録のデジタル化から入るのが現実的な第一歩になります。

西澤 志門代表 西澤

💡 この二極化はチャンスでもあります。まだ導入率が低い=競合施設と差をつけやすい。ただし、いきなり高額なロボットではなく、効果と普及率が高い「記録の音声入力・見守り」から入るのがセオリーです。

03 導入の効果|数字で見る手応え

実際に導入した現場では、業務負担の軽減に手応えが出ています(同調査・「効果がある+やや効果がある」の合計)。

昼間の業務負担 軽減効果

49.4%

夜間の業務負担 軽減効果

44.6%

※全事業所ベース。施設系(入所型)に絞ると効果実感はさらに高くなります(令和6年度介護労働実態調査)。

特に夜間は、少人数で多くの利用者を見守る負担が大きい時間帯。見守りセンサーの通知で「必要なときだけ訪室する」運用に変えられれば、職員の負担と精神的ストレスの軽減に直結します。

04 普及を後押しする政策|補助金と人員配置の緩和

導入率がこれから伸びる背景には、国の後押しがあります。

  • 補助金:介護テクノロジー導入支援事業(都道府県)で、ロボットやICTの導入費を補助(移乗・入浴は上限100万円/台、パッケージ導入は最大1,000万円/事業所など)。詳しくは 介護のDX補助金まとめ
  • 夜間人員配置基準の緩和(2024年度介護報酬改定):見守り機器の導入で夜勤配置の基準が緩和(見守り機器100%導入+ICT活用等で0.9人→0.6人区分など)。導入が”コスト”だけでなく”運営メリット”に直結する仕組みが整いつつあります。
注記:補助金の上限・補助率・募集時期は都道府県で異なり毎年変わります。導入検討時は所在地の都道府県公式で最新情報を確認してください。
西澤 志門代表 西澤

💡 「補助金があるうちに、記録と見守りだけでも入れておく」——これが今いちばん費用対効果の高い一手です。導入率が上がりきる前に着手すれば、補助・人員配置の恩恵も受けやすいです。

05 導入率が伸びない施設の共通点——「入れたのに続かない」の正体

導入率の数字の裏には、「入れたが使われず、いつの間にか止まった」施設が一定数あります。当社が現場でご一緒して分かった、続かない施設の共通点は次の3つです。

つまずき 何が起きるか 回避策
いきなり全職員に配る 使い方が揃わず「人によってバラバラ」→現場が混乱して元の紙に戻る まず管理者・リーダー数名で型を固め、成功例を見せてから広げる
「効率化」だけを目的にする 職員は「監視されている」「仕事を奪われる」と受け取り抵抗が生まれる 「記録の時間を減らして、その分をケアに回す」と目的を人向けに言い換える
導入して放置 初期設定のまま現場に合わず、面倒だけが残って使われなくなる 導入後1〜2か月は週1で振り返り、現場の声で設定と運用を調整する

共通するのは「道具を入れること」を目的にしてしまう失敗です。導入率という数字はゴールではなく、「職員の負担が減り、ケアの時間が増えたか」が本当の指標。次章の進め方は、この「続く導入」を前提に組んでいます。

06 これから普及させるには|失敗しない進め方

  1. 導入率の高い領域から始める

    記録の音声入力・見守りセンサーなど、普及率が高く効果も明確な領域から。ノウハウも情報も豊富で失敗が少ない。

  2. 補助金・人員配置の要件に合わせる

    介護テクノロジー導入支援事業の対象・要件、夜間人員配置緩和の条件を先に確認し、それに合う機種・構成を選ぶ。

  3. 1フロア・1業務で効果を出す

    小さく導入して負担軽減の効果を数字で確認。現場の納得を得てから横展開する。

  4. 運用ルールと教育で定着

    通知運用・夜間対応・機器点検・職員教育を設計。ツールは”入れて終わり”では定着しない。

介護全体のDXの進め方は 介護施設のDXの進め方、活用場面は 介護のAI活用完全ガイド もご覧ください。

07 何から入れる?——現場が続く「導入の順番」

「AI・ICTを入れよう」と決めても、どの業務から手をつけるかで成否が大きく変わります。当社が施設にお勧めしている現実的な順番は次のとおりです。負担が重く、かつ効果を実感しやすいものから並べています。

  1. 介護記録の文章化・音声入力——毎日全職員が触れる業務。1日15〜30分の記録時間が削れると効果を全員が実感でき、AIへの抵抗感が消えます。ここから始めるのが王道です。
  2. 夜間の見守りシステム——夜勤の巡回負担を直接減らし、人員配置基準の緩和にもつながる。職員満足度に効きます。
  3. 申し送り・書類作成の下書き自動化——記録に慣れた後の次の一手。ケアプランや家族向け文面のたたき台をAIに任せます。
  4. シフト作成の自動化(システム化)——暗黙ルールが多く難度は高いが、管理者の月末残業を丸ごと減らせる。当社が実際に構築支援している領域です。

ポイントは「全部を同時にやらない」こと。1つ目で成功体験を作ってから次へ進むと、現場の納得を得ながら着実に広がります。逆に一気に4つ入れると、どれも中途半端になって定着しません。

08 よくある質問(FAQ)

介護業界のAI・ICT導入率はどのくらいですか?

分野で差が大きく、介護記録ソフト約75.4%、施設系の見守りセンサー約70.1%は普及フェーズです。一方、移乗支援ロボット約6.2%、排泄支援約1.9%とロボット系はこれからの段階です(令和6年度介護労働実態調査)。

なぜ介護でAIが必要なのですか?

2040年度に約272万人の介護職員が必要とされる一方、人口減少で人材確保は容易ではありません。「人を増やす」だけでなく「一人あたりの負担を下げる=生産性を上げる」ためにAI・ICTの活用が不可欠とされています。

AI・ICTを導入すると効果はありますか?

導入した現場では、昼間の業務負担軽減に効果ありが49.4%、夜間で44.6%という調査結果があります(全事業所ベース。施設系入所型ではさらに高い)。特に夜間の見守り負担の軽減に効果が出ています。

人手不足はAIで解決できますか?

AIだけで完全に解決はできませんが、記録・見守りの負担軽減や夜間人員配置基準の緩和により、限られた人員で回せる体制づくりに大きく寄与します。補助金や制度の後押しもあり、導入は今後さらに広がる見込みです。

なぜロボットの導入率は低いのですか?

移乗・移動・排泄支援ロボットは、購入100万円/台級と高額で、使う場面や対象者が限られ稼働率が読みにくいためです。設置スペース・メンテナンス・操作習熟も必要で、補助金前提の資金計画が要ります。一方、安価で効果が見えやすい記録・見守りは普及が進んでいます。

小規模・訪問の事業所は何から始めればいい?

まずはタブレット・スマホでの介護記録のデジタル化から始めるのが現実的です。導入率が高く効果も明確なので失敗が少なく、その後に見守りセンサー、必要に応じてロボットへと段階的に広げるのがおすすめです。補助金の対象・要件を都道府県で確認しながら進めましょう。

小規模な施設でもAI・ICTは導入できますか?

できます。むしろ人手の余裕が少ない小規模施設ほど、記録や見守りの自動化の効果が相対的に大きく出ます。全分野を一度に入れず、いま一番負担の重い業務(多くは記録か夜間見守り)を1つだけ選んで小さく始めるのが失敗しないコツです。

補助金は必ず使えますか?

制度は年度や自治体で内容が変わります。国のICT導入支援・介護ロボット導入支援などの枠組みはありますが、対象機器・上限・要件は申請時点の最新公募で必ず確認してください(本記事の出典欄の一次情報を参照)。要件確認から申請書類まで、当社の無料相談でご一緒できます。

西澤のひとこと

西澤 志門代表 西澤

数字を見ると「介護のAI」は二極化しているのがよく分かります。記録・見守りは普及フェーズに入り、効果も出ている。一方でロボットはこれから。私たちは「導入率が高く効果も明確な領域から、補助金と人員配置の要件に合わせて小さく始める」進め方をおすすめしています。人手不足は待ってくれません。補助金があるうちに、まず記録と見守りから——ここから始めれば、現場の負担も採算も両立できます。段取りからご相談ください。

自施設に合うAI・ICTの入れ方、無料で診断します

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09 出典・参考(公的一次情報)

📌 公式情報源

※本記事の数値は2026年7月時点の公的データに基づきます。統計・制度は更新されるため、最新値は各公式でご確認ください。

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